講座・研修報告

根津先生による埼玉医科大学医学部1,2年生選択必修授業が行われました

根津先生による埼玉医科大学医学部1,2年生選択必修授業が行われました

2023/06/05 根津先生による埼玉医科大学医学部1,2年生選択必修授業が行われました。

6月5日月曜日に埼玉医科大学医学部1,2年生を対象とした選択必修授業が行われました。選択必修授業とは、学生が受講する講座を自由に選択できる授業のことをいいます。根津先生の講義は一番人気であり、毎年50名以上の学生が根津先生の講義を受けることを希望します。多い時は70名を超えましたが、現在、1授業につき受講できる学生最大人数が50名までに制限されているため、受講生は50名となっております。

医学部の授業において、介助技術の講義が行われているのは日本の医学部、医科大学の中でも埼玉医科大学だけではないでしょうか。しかも、ただの介助技術を教えているのではなく、日本で初めて大学において質保証が行われ標準化された介助技術です。根津先生が編み出した介助技術は、介助者にとっては全く腰に負担がかからず、介護を受ける人にとっては苦痛を感じず楽に移動・移乗できる画期的な介助技術です。

根津先生の介助技術は講談社より「写真と動画でわかる! 埼玉医大式 力がいらない介助技術大全」として出版され、610日時点で介護()、成人看護学の2分野でランキング1位に輝き、大変注目を浴びております。

授業には看護部からもベテラン看護師2名が参加してくれました。

今回の授業は「転倒予防編」でした。

学生達は、根津先生が全く力を使わずに体位保持をした途端、患者役の人がどれだけ倒れようとしても倒れることができず身動き出来なくなっている様子を目の当たりにして驚愕し、「目からウロコ」状態となって感嘆の声をあげていました。

「転倒は事故である」ということを将来、医師となる学生達に認識させ、医師自らが率先して転倒を防げる介助技術を修得し、医療介護現場でリーダーシップを発揮できるように熱弁をふるってくださった根津先生の熱意が学生達の心にしっかりと伝わった素晴らしい授業でした。

根津先生、学生達にとって大変ためになる授業をしてくださり、ありがとうございました。

(報告者 埼玉医科大学副医学部長)

<学生の皆さんからの感想>

■学年2年・Yさん
今⽇は久しぶりに根津先⽣の授業で、転倒防⽌のための介助テクニックを沢⼭教わり、実践した。⼈が転倒してしまう原因は2 つあり、1.⼈の倒れる⽅向を知らないこと、2.体位保持の概念を知らないことだと学んだ。⼈は、倒れる⽅向が前3⽅向・後ろ3⽅向の計6 ⽅向(前、後ろ、斜め45 度の4⽅向)あり、その⽅向に頭が倒れていくとどんな介助しても倒れてしまう。そこで、介助しても共倒れしないために、側⾯式、対⾯式、背⾯式の3 つ体位保持の⽅法を学んだ。この介助の⽅法を試してみると、ほとんど⼒を⼊れずに⼈を⽀えることができ、患者役の⼦が後ろにもたれかかっても、前に倒れようとしても、虚脱しても転倒することはなかった。⼀⽅でパワー介護のように⽀えるとなかなか転倒を防⽌するのは難しく、腰にも負担がかかるということを学んだ。ちょっとしたことで、こんなにも介助の⼒のかからなさが変わるのは、改めてすごいなと感じた。また今⽇は、前回の内容とも合わせて、椅⼦に座っている患者さんをふらつかせないで⽴たせる⽅法や、⽴っている⼈を床に座らせる⽅法なども学んだが、どの⽅法においても腕をくの字型にさせ、脇の下から抱える⽅法が有効であることがわかった。腕をくの字型にして抱えるだけで簡単にしっかりと体位保持することができ、感⼼した。転倒は事故であり、医師には患者の転倒における責任が付きまとってきてしまうので、今⽇習ったことをしっかり復習して、転倒を未然に防げるようにしようと思った。

■学年2年・Nさん
本⽇の授業では、介助する側も、介助される側も負担なくできる介助テクニックを学びました。特に、患者を適切な⽅法で椅⼦から起き上がらせる⽅法や、倒れそうな患者を⽀える⽅法、患者を椅⼦に座らせる⽅法などは⾮常に参考になりました。5 つのポイントである引く、押す、まわす、ふれる、⽀点を変えるは、どの介助にも応⽤できるものであり、常に頭に置いておけば介助の効率も上がり、負担も軽減できます。実際に授業内で実践してみたところ、適切な介助テクニックを使うことで、患者にも⾃分にも負担がかからなく安全かつスムーズに介助を⾏うことができました。また、この授業で学んだことは、医療の現場だけでなく、介護現場や⾃宅介護などでも役⽴つ知識と考えています。介護をする際には、介助する側や介助される側の負担を減らすことが⾮常に重要であり、今回の授業がその助けとなることを確信しています。授業の進め⽅も、実践を交えて丁寧かつ分かりやすく⾏われており、とても良かったと感じました。今後も医学部での授業がこのように実践的なものであると嬉しいです。このような介助テクニックを学ぶ授業があることは、医療・介護に携わる者として⾮常に⼤切なことだと思います。今回学んだことを忘れずに、将来の医療・介護現場で活躍できるように⽇々精進していきたいと思います。

■学年2年・Sさん
冒頭に転倒事故問題の重⼤さについて話してくださったので、今⽇の授業がどれほど⼤切かわかり、授業をいつも以上に真剣に聞けたので良かったです。転倒によって、2度と歩けなくなってしまうというのは⼤変なことだと思うので、今⽇の授業で習ったことは本当に⼤切にしたいと思いました。転倒の実際にあった事例をたくさん聞き、衝撃を受けました。今⽇聞いた話は、これからもずっと忘れずにいたいです。⼈の倒れる⽅向が、前も後ろもそれぞれ三⽅向だということを初めて知り、三⽅向に決まっているのが興味深いなと思いました。これを発⾒した先⽣はすごいなと思いました。また、⾻折して転倒・転倒して⾻折という⾔葉を初めて聞いた時は意味がわからなかったけど、説明を聞いてなるほどと納得ができました。今⽇の授業で実践した中で、側⽅位での対位保持が⼀番印象に残りました。酔った友⼈の介抱などで、⾝近で⼀番実践できそうな介護だと思うので、医学⽣のうちからたくさん実践しておきたいです。実際に昨⽇、酔っ払いの介抱をして⼤変だったので、今⽇習ったことをもっと早く知っていれば、たくさん体⼒を使うことがなかったのにと思いました。転倒という事故を起こさないように頑張りたいです。

■学年2年・Kさん
今⽇の授業では転倒予防について学ぶことができた。今まで転倒について詳しく知らなかったため、今⽇の授業で転倒の怖さ、予防の⼤切さを知った。どのように⽀えれば良いのか、腰に負担をかけずにおこなうための⽅法を実践した。実際に体験することで習った⽀え⽅をすると、どの⽅向にも倒れないことを実感した。⼈の倒れる⽅向や体位保持の概念について学ぶことができて、⾮常に今後の⾃分のためになったと感じた。将来、⾼齢者を⽀えるなどの場⾯に⾃分が出くわしたとき、今⽇の授業を受けていなかったら、転倒の怖さを知らないまま、患者さんと共に⾃分⾃⾝も転倒していたと思う。先⽣の話を通して、転倒の怖さを⾝近に感じた。今回習ったことをいつ使うのかはわからないが、すぐに⾏動できるようにしっかりと復習して⾝につけなければならないと感じた。そして「転倒は事故である」ということを忘れず、今から、そして医療⼈となったときにも転倒予防に努めていきたい。

■学年1年・Tさん
本⽇もありがとうございました。本⽇もパワー介護ではなく、①引く②押す③まわす④ふれる⑤⽀点を変えるを意識して⾏うことをまず教えて頂きました。また、転倒事故を防⽌するには①⼈が倒れる⽅向を知らない②体位保持の概念を知らない③転倒は事故であるという認識をしっかりと持つことが⼤切だと学びました。実際に転倒しそうになった⽅を⽀える⼒のいらない介護術を実践してみて、パワー介護よりも患者さんの⾝体を持つ⼒は安定し、⾃分⾃⾝も患者さんを⽀えやすかったです。また、パワー介護の⽅法がやりづらく、かつ患者さん側は⾝体が痛かったです。患者さんのためにも、介護側のためにも、この介護術を現場で活かすことが⼤切だと思いました。そして、転倒事故が重篤な怪我となり、最悪の場合死に⾄ったり、⾜を切断することになる場合もあるというお話を伺い、この技術をしっかりと⾝に着け、少しでも事故防⽌に貢献しなければならないと強く思いました。しっかりと反復して⾝に着け、いつか実践する⽇が来るまで覚えておきたいと思いました。来週の授業もよろしくお願い申し上げます。


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