<3D動画撮影>根津式介護技術を3Dでわかりやすく! Canonボリュメトリックビデオ(3)〜ステージ4のがん患者であり、右大胸筋を失った体でありながらも、力を使わずに介護ができる
2024年4月17日(水)、「根津式介護技術」の3回目の撮影がありました。
本日もCanonの広大な敷地にある「ボリュメトリックビデオ」のスタジオへ。
撮影開始前には1時間にも及ぶインタビューがあり、根津先生が30代後半に脳梗塞で倒れ、左半身麻痺となった経験から、家族や介護職員が力を使わずに楽に介護ができるようにと「根津式介護技術」が生み出された経緯、そして今現在もステージ4のがん患者であり、右大胸筋を失った体でありながらも力を使わずに介護ができることを自ら実践、伝承するために活動を続けられている、その強い想いを伝えてくださいました。
撮影シナリオは、ストレッチャーからベッドへの移乗、立位から床に座らせるなど、普通では体に大きな負担がかかる動作ばかりでしたが、根津先生は最後の一瞬まで全力を尽くして「根津式介護技術」を披露してくださいました。
現在も闘病中で体調が優れない中でも、スタジオ内を明るく照らす根津先生の笑顔とそのエネルギーは、むしろ周りの私たちが元気づけられるほどでした。
撮影に携わったスタッフも団結し、無事に最後の撮影まで遂行することができました。
この度の撮影にご協力いただいたすべての方々に、心から感謝申し上げます。
<撮影スタッフの感想>
●カメラマン
「私自身、介護は遠い存在であり、正直なところ介護をしたいともされたいとも思っていませんでした。ただ、友人が介護の仕事をしている話は聞いており、常に大変なものだという印象を持っていました。しかし、根津先生の個人的な体験とご家族の経験が生み出した独自のメソッドを学ぶことで、介護を必要とする人々と介護する側の双方にとって、体の負担が大幅に軽減されることは、間違いなく良いことだと理解しました。精神的なケアを含む他の困難もある中で、先生の技術が負担を軽減していると感じました。根津式介護技術を実際に体験し、その効果を体感したことで、介護に対する私の見方が変わりました。特に印象的だったのは、『力を入れなければ相手も力を入れない』という言葉で、それが実際にどれほど効果的かを目の当たりにしました。これからは、介護に対する常識を問い直し、記事を通じて新しい視点を提供できればと思います。また、日本では家族間の距離が比較的遠いことが多いですよね。もし家族が介護を必要とするようになった場合、配偶者やパートナーならば身体的な接触に抵抗が少ないかもしれませんが、親や兄弟の場合は急に身体に触れることに壁を感じるかもしれません。これには練習が必要ですが、練習を重ねることで自然にできるようになるんだなと感じました。」
●男性スタッフ
「私はこれまで介護技術を学んだ経験がありませんでしたが、根津先生から簡単な方法を教えていただきました。その方法はとてもシンプルで、すぐに自分でも実践できるものでした。何より驚いたのは、全く力を使わずにできたことです。二人で患者さんを持ち上げてベッドに移す作業で、かなり腰へ負担があるだろうと思っていましたが、全く負担を感じることがありませんでした。人を持つときに手や肩、そして足を支えるような持ち方を想像しがちですが、先生の教える持ち方は全く新しく、簡単で、しかも負担がないことに正直驚きました。」
●女性スタッフ
「撮影に参加する前から、根津式介護技術には興味を持っていました。私の両親や祖父母はまだ歩ける状態ですが、祖父母は90歳や80歳後半になり、歩くのが難しくなってきています。元々体が大きい家系のため、介護が必要になったら力任せの介護をしなければならないかもしれないと心配していました。しかし、根津式介護技術に触れて安心感が増し、先生がどのようにしてこの技術を開発されたのかを知ることで、感動で涙をこらえるほどでした。先生のように困難な状況からプラスの変化を生み出す人は稀だと感じます。根津式介護技術は、柔よく剛を制すという武道の理念にも通じるものだとは思いますが、根津先生だからこそ生み出すことができたのだと強く実感しました。」
●監督
「一番驚いたのは、腕の向きと角度を変えるだけで胸の筋肉も効率よく使えるようになり、相手を楽に動かせることを実感したことです。力だけに頼る方法ではなく、このような小さな変化が大きな違いを生むことに、本当に驚きました。」
●モデル
「動きやすさがとても向上し、無理なくスムーズに動けることに驚きました。また、先生の支え方が非常に優しく、全身を安心して預けることができました。そのおかげで、座る動作や移動がとても楽に感じられました。」
<Canonのボリュメトリックビデオについて>
そして今回は、Canonの技術者さんにボリュメトリックビデオでユーザーさんがどんな体験ができるかヒアリングしました。「根津式介護技術」ももちろんですが、多くの分野での応用が期待されます。
1.見たい大きさ、見たい角度、見たい速度で自由に閲覧できる
動画を任意の大きさ、角度、速度で自由に操作することが可能です。タッチパネルを使用してシーンを回転させたり、拡大縮小したりでき、詳細なフレームを一つずつ確認することもできます。
2.VRゴーグルで実体験に近い体験
ウクライナのバレーダンサーのビデオを撮影し、箱庭でダンサーさんが踊っている様子をまるで目の間で踊っているかのように体験できる空間をVRで作ったことがあります。実際に目の前でパフォーマンスが行われているかのような没入感を体験できます。同様に「根津式介護技術」の実演を、まるで現場にいるかのように感じることができます。
将来は、例えばお手本の園芸を見ながら、ユーザー側で自分も体験してみるとお手本に沿ったフィードバックがかかる、といった時代になると思いますし、そういった研究もはじめています。各種センサーを通じてユーザーにフィードバックを提供することも可能になれば、力の入れ方や体重の移動をリアルタイムで学ぶこともできるようになるでしょう。同じようにメタバース空間と組み合わせることもできます。
3.未来永劫まで残るデータとしての可能性
ボリュメトリックデータを3DのCG規格に変換することで、3Dディスプレイや3Dプリンタを使用したさまざまな応用が可能です。これにより、「根津式介護技術」を含む多様なコンテンツを3Dで体験し、未来永劫にわたってデータを保存することができます。好みのシーンやモデルを簡単にフィギアにすることもできますし、家族の記念写真で七五三も動画や写真ではなく、フィギアや3D動画として残しておくこともできます。
「根津式介護技術」はこれから公開される映像を通じて、医療・介護現場で革命をもたらし、広く社会に貢献することを目指します。
撮影に関わった全ての皆様、そして応援してくださった皆様に心からの感謝を申し上げます。これからも、私たちの取り組みにご期待ください。